資産防衛型投資はインデックス投資一択

chart of index trading

『インデックス投資』
画像抽出:firefly

ニック・マジューリ氏著の『JUST KEEP BUYING』はかなり色々な媒体で紹介さいれているので、読んだことがある人は割と多いのではないだろうか。

老後資金用といった資産防衛型投資を考える場合の必読書と言って良いのではないかと思う。

圧巻は「ドルインデックス法は完璧に安値を拾う方法に勝る結果を出す」という事実を実証済みデータ付きで解説している部分だ。

安値を完璧に拾っていくことなど実際には不可能だが、そのチートにすらも勝る結果を出せるのが米株でのドルインデックス法、定期的に決まった金額で同じ銘柄を買い続ける投資法だということである。

最初は本当かよと思ったが、その理由を聞けば納得。つまり「安値はなかなか来ないから」である。トレード機会がどうしても少なくなるためだ。

『JUST KEEP BUYING』
by Nick Maggiulli
https://amzn.asia/d/jd6nDjc

確かに2025年1月現在も、S&P500等米株では50%を超えるような超大幅下落は久しく起こっていない。

日本株では日経平均が過去最大の下落幅を2024年8月に更新したばかりだが、それもいわゆる○○ショックといったことからの下げではなかった。日本市場の業績は全般的に悪くはなかったため、市場流動性低下時のアルゴに機縁するフラクラ、というのがどうやら大手新聞の分析のようだ。

インデックス投資も楽ではない

ただ、時としてこうした暴落が起こることを考えると、インデックス投資も決して楽ではない、精神的に。

特にXなどの投資家界隈では、ちょっと前までこの投資法はどこか鼻で笑われていた感があったように思う。そんな事なら誰でも出来るじゃないか、と。

今でも若干はそういう言われ方もしているようだが、再現性や期待収益率だけでなく精神の衛生面までを鑑みると、非常に優れた投資手法だと認めざるを得ない、というのが今では一般的にも広く理解された認識だろう。自分もそう思う。

ただ、いくら精神衛生に良いと言っても、それは他の投資手法に比べればというだけの話。短期投資とは違って自己資金を市場に晒し続ける方法であることは確かである。

つまり相場環境が悪化すれば自分の金は減る。それも場合によっては何年にも渡ってジリジリと減っていく。毎日か毎週か毎月か、残高を確認するたびに減っていく期間というものを経験するのも、長期にわたって投資を続けていればいるほど不可避だろう。

もっと分かり易いのはいわゆる「おはぎゃー」だ。寝て起きたら投資金がゴッソリ減っていた状況、という意味で、特に株式がかなり下げた際にSNSで挨拶的に使われるおはぎゃー(古いのは重々承知)だが、いざ自分がその当事者になるとたまったものではない。

蛙の子は蛙、投資はインデックス投資であっても投資、という事である。

つまり、ただの貯金とはかなり性質が異なる。貯金も保有通貨価値の変動やインフレ・デフレで価値が変わってくるが、投資だとよりハッキリと、目に見える形で増減が確認できる。

どれだけデータを信頼できるか

というこの一言につきる。インデックス投資に限った話ではないと思うが、要は過去から続いて起こっていることが今後も継続する、ということにどれだけ張れるかという事だ。

今回のこの暴落は特別なんじゃないか。渦中にいるとそう考えてしまうのが人の常である。

かくいう自分も2020年のパンデミックの際に、世界中の経済活動が止まるという前例の無い事態ー!などと舞い上がってしまい、結局は打診買いすらも出来なかった。前例が無いならなおさら試しに買ってみてもよかったのに。

または原油価格が一時的にマイナスをつけた日、チャートの前で買いボタンをクリックするために指をマウスにかけていたが、今後は原油の価値って下がっていく一方なんじゃないか、パンデミックでは言うまでもなく、その後もクリーン志向で!という考えが頭をよぎりボタンを押せなかった。
だとしてもタダ同然で売られる訳が無いのに、と後で冷静になった時には考えらえるのだが。それは過去チャートを見れば一目瞭然である。

これはデイトレなどの短期投資でもそうだ。テクニカル派は特に、過去のパタンで検証した手法が今後も同じように使えると信じてトレードをする。

長期で個別株を買う場合でも、当たり前のように数字が山盛りされた決算書などのデータに目を通す。

投資はデータを信じ込むゲーム、と言えそうだ。

インデックス投資も経験

自分はBTCに関しては少額ながら既に数年にわたり積み立てているが、分散投資という観点からクリプト以外にも何かほしいところだ。

他にインデックス投資を行うのであればETFが良さそうである。オルカンか、あるいはSP500か日経225連動のものか。

ただ、いずれにしても2025年1月現在のチャート形状では始める気にならない。

ニック・マジューリ氏がどれだけ素晴らしく明確かつ的確にインデックス投資の即座の開始を推奨したとしても、デイトレを主戦場とする自分にはどうやってもすっ高値にしか見えない。

何十年と先を見据えた長期投資であれば、現在の高値・安値など単なる誤差だという意見は分かる。頭では解るが気持ちがついてこない。

下がり続ける価格にナンピン買いを繰り返す未来が怖い。絶対に避けたい。

…と似たようなことを考えている人にも上記書籍はお勧めだが、言うまでもなく本の解釈は個人に委ねられ、個々の経験値などによりそれは千差万別であるはずだ。

そこで自分は「インデックス投資は直ぐにでも開始すべきだが、暴落をくらうと痛いのでその可能性と将来のリターンを天秤にかけて判断しよう」という提言だと理解した。

結局のところ、投資は自分が最も気持ち良いように行うべきものなのだから。

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