『ニューヨークシティーの風景』
画像抽出:firefly
EDV
バンガード超長期米国債ETF(Vanguard Extended Duration Treasury ETF)は、米国籍の上場投資信託。ブルームバーグ・トレジャリー・ストリップス債20-30年イコール・パー ・ボンド・インデックスの価格と利回りに連動する投資成果を目指す。
(引用:ブルームバーグ)
TLT
iシェアーズ米国債20年超ETFは米国籍のETF(上場投資信託)。残存期間が20年を超える 米国債で構成される指数に連動する投資成果を目指す。
(引用:ブルームバーグ)
IEF
iシェアーズ米国債7-10年ETFは米国籍のETF(上場投資信託)。残存期間7-10年の米国債で構成される指数に連動する投資成果を目指す。
(引用:ブルームバーグ)
ISTB
iシェアーズ・コア1-5年米ドル債券ETF(iShares Core 1-5 Year USD Bond ETF)は、米国籍のETF(上場投資信託)。米ドル建て債券で構成されるブルームバーグ米国1-5年ユニバーサル指数に連動する投資成果を目指す。残存期間が1年から5年の投資適格またはハイイールド債を対象とする。
(引用:ブルームバーグ)
(画像:Google検索)
TLTとEDV
TLTとEDVを保有している身としては、米国債の不振は人事ではない。
米国のインフレ圧力の持続、高金利の長期化、財政赤字の拡大、国債の大量発行、FRBのバランスシートの縮小といった辺りが、価格下落の理由とされているようだ。
それから現政権による関税リスクと、数日前に発表されたムーディーズの米国債の格下げもネガティブ要因だろう。
そういった事は、超大国としてのアメリカの世界的な支配に翳りが見えてきたという、いわゆる国力の低下と、それに伴う中国など権威主義国家の台頭といった、よりマクロでの国際的な状況に関連しているようだ。短絡的な見方かもしれないが。
FRBのガイダンス、つまり9月の利下げの可能性とバランスシートの縮小(QT)の停止時期などによって下落は一服しそうだとされているが、一個人トレーダー、それもテクニカル派である自分にはそういったFRBガイダンスの分析や考察をしようとする気もなければ能力もない。
自分が考えるべきは、どうなったら保有量を減らすか、という一点だ。
米国債を購入した理由
そもそも米国債の購入を始めた理由は、分散投資の一環だった。
株やコモディティなど比較的リスキーなものに投資をする、そのリスク分散として、比較的安全とされている(されていた)米国債も少しづつ買い進めていた。投資リスク軽減のために。ほとんど銀行預金に近い感覚で。
その最も安全性が高いとされていた米国債が、自分の投資活動の足をここまで引っ張るとは全く予想していなかった。
何十年という長期保有を想定して買い進めていた手前、足元の値動きに一喜一憂してどうする、ということなのは重々承知している。
だがそれにしても米国債を取り巻く環境が悪すぎる。
悪い話しか聞こえてこない
日本や欧州もそうだが、長期金利が再び上がり始めていて、それは再開したばかりに見える。数年前に歴史的な暴落を起こした米国債だが、そこからここまではただの踊り場だった、という懸念だ。チャート的にはどうしてもそう見える形になりつつある。
聞こえてくるニュースも悪いものばかりだが、米国債の下落自体を不安視しているというよりは、米国債の下落によって生じる他セクターへのインパクトをより不安視しているような論調ではある。
アメリカ合衆国が発行する国債の保有者はそれこそ世界中にいて、大きくは国から、様々な分野の企業から一個人に至るまでとても幅広いようだ。
先月(2025年5月)もちょうど農林中央金庫が「外国債の運用失敗」で1兆8000億円の赤字と報道されている。
米国債だけのせいでは無いだろうが、世界情勢とかなり密接に結びついているのは確かで、その上でかなりキナ臭い状況となっている、と個人的には感じている。
…ただ、こういう時にどうしても考えてしまう相場の格言がある。
総悲観している時が本当の買い場
大暴落したものが大した反発もせずにまた売りフェーズに突入するという、少なくともチャート的にはかなり最悪な値動きをしている。
暴落が落ち着いたと判断したところで何十年と長期保有をするために買い進めていたのだが、それを狼狽売りするのは愚の骨頂だ。
そもそも自分がこれだけ米国債の下落にビクビクしている原因は、TLTとEDVの保有比率を高くし過ぎてしまったからで、その比率を下げれば良い話ではある。
つまり一部を売って損を確定するのだが、その時にどうしても考えてしまうのが「買い時に自分は売っていないか?」ということだ。
長期米国債の買いを勧めている大手銀行のニュースを先日ちらりと見たが、それ以外はほぼ総悲観、あるいは総悲観のほんの一歩手前という状況ではないかと思う。
でもだからこそ比率を減らす時ではなく、むしろ上げるべき時なのではないかとすら思えてくる。
…その勇気はさすがにないが、まだ実際に比率の調整を行う必要はない、というのが今のところの結論だ。
損切のタイミング
例えば資産の20%を超える含み損が発生した場合は切るとか、その人によってルールは千差万別だろう。
損益が許容範囲を超えるようなら当然ながら削っていくことにはなるが、自分の場合は数字ではハッキリとは決めていない。
損切の基準としては、今後の米国の経済的な成長を信じられなくなった時に初めて完全撤退を考える…という当たり前過ぎて何の面白みもない基準だが、でもそうとしか言いようがない。
重要なのは、GDPや貿易収支がどうのこうのといった表面的な数字よりも、自身が8年も住んでいたあの国のあの雰囲気が本当の意味で壊れる時、再生は不可能だと感じるほどの崩壊が起こった時、という意味である。
それは突発的な何かではなく、長期間をかけてじょじょに衰退していく過程で、米国民が米国の覇権を信じられなくなるという一線を超える時、ということだ。
それは2010年代頃の日本のような雰囲気に似ているのではないかと想像している。
アメリカはたった一人の大統領の出現で壊れるようなヤワな国ではないし、米国人、ひいてはアングロサクソン系白人の覇権への執着、想像を絶するほどの執着を決して甘くみない事だ。
プーチンが、ロシアの無い世界なんて存在する意味があるのだろうかと言ったというが、米国では大統領はおろか本当に多くの米国人がアメリカ合衆国という国に対して同じ気持ちを深く、ハッキリと抱いている。
それが自分が米国債を購入する理由である。良い悪いは別にして。