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投資想定シリーズその1 – 中国による台湾進攻が起きた際の投資先を想定してみた

Large scale military conflict, Pablo Picasso tasted

『大規模軍事紛争』
画像抽出:DALL・E2

いわゆるコロナショック時に納得のいくトレードが出来なかったのだが、その理由として曲がりなりにも投資活動を行う上で「心の準備と行動の想定」が出来ていなかったと反省した。

パンデミックに備えた準備など出来るのかという話ではあるが、自分の場合は欧州や日本に広がる前に中国の武漢の状況を伝えた動画を目にしていた。そして世界的なパンデミックになりそうだというタイミングの一歩手前、つまり株価が暴落を始める前にも投資判断が出来る期間が1週間程度はあったと記憶している。

だがその時にはただ漠然と、この規模の世界的パンデミックで世界的に経済活動が停止するなんて前代未聞なんだから、株価などどこまで落ちるか予想しようがないと考えていた。

つまり思考停止に陥っていたし、何よりもだったら売りポジ持てよという話だ。情けない話である。

そうした反省から、思いつく限りの状況に対して想定をしておく事にした。今回は中国の台湾進攻だ。

戦争・紛争について

理由は何であれ戦争のような事が起こる事態は何がなんでも避けなければならないと強く感じる。そんなことをしたってそれは憎しみしか生まず、更にはその憎しみが次世代に連鎖しループにはまる。

子供を育てている親としてはより一層そう感じるし、実のところ戦争など想像すらしたくない。

ところが実感として2023年11月現在、ロシアーウクライナ戦争やイスラエルーハマスを中心とした中東情勢は言うまでもなく、世界規模で「暴力」に関するニュースが増えていると感じている。

何んとなくの肌感覚としては、数年続いたコロナのパンデミック騒ぎで何かが決定的に変わったように感じている。

こうしたキナ臭い世の中になってきてしまった根本的な原因の1つに、世界中で経済的格差が拡大して人々の不満が溜まり過ぎている、という状況が挙げられるんじゃないかと考えたりするが、そういった要因を探すことよりは、万が一戦争や大規模紛争が起こった場合の投資を想定する、というのが投資活動を行っているものの関心事となる。

良し悪しは別として、投資とはそういう側面のある活動であるというのは事実だ。

…ちなみに余談だが、コロナについては世界が一丸となる(曲がりなりにも)、という40年以上生きてきた中でも今まで感じた事の無かった感覚を体験できたのは良かったと考えている。…「一丸となる」というか「同じ問題に全世界で真剣に取り組む」程度のことだったが。それに独断的とも言えるほどの米、英、仏のリーダー的な振る舞いに対して独、伊、それに日本などその他の国のフォロワー的振る舞いぶりが顕著に見えたことで、改めて世界的なパワーバランスが見て取れたのも興味深かった。

投資先を探す前の基本

著名投資家のウォーレン・バフェット氏曰く、大きな戦争中は現金の価値が下がるため、現金より株式などにして持っていた方が良いとの事だ。金やビットコインも現金同様で、株式を推奨している。

それと分散投資。これは事ある毎に言われているので聞き飽きたが、戦時中も同様だろう。国、通貨、ジャンルまで分ける。米ドル建てとユーロ建て、米国株と日本株、株と国債とコモディティー、といった具合だ。

投資先は当事国によって変わる

ロシアがウクライナに侵攻したことで原油や小麦などコモディティーが値を上げた。ロシアが資源国だから。当たり前の話だ。

イスラエルーハマスの方は瞬間的に原油が懸念されたが、主要な油田が該当地域に無いことで原油の急騰は起きなかった。ただこの紛争が中東全体を巻き込むように広がってしまうと、原油価格にも影響は出てきそうだと推測できる。そして価格もそうだが輸出が難しいなどの事態になると、原油に関して中東依存度の高い国、例えば日本などは影響を受けそうだ。

このように投資先は戦争・紛争の該当国によって全然変わってくる。言うまでもないが。

そこで次にありそうな大規模紛争、…というか日本のメディアでよく見聞きする「中国の台湾進攻」が実際に起こった場合の想定をしてみたい。

中国が台湾に侵攻する可能性

そもそもそんな事は起こってほしくないし、それにそんな事が本当に起こり得るのかと考えると、やはり現実感は持てない。多くの専門家が起こり得ると言っているが、自分のようなただの一般人には想像し辛い。

ただ繰り返しになるが「心理的準備と行動の想定」は考えうるあらゆる可能性に対して行っておくべきで、中国ー台湾のケースは地理、政治、経済等あらゆる面において日本に近く、日本円や日本株を多少とも持っている投資家なら猶更に絶対に想定しておくべき事案である。

現実感を持てないとしても形だけでもとりあえず。避難訓練のようなものだ。

中国が台湾に軍事進攻した場合の投資先

実際にその紛争が起きた時に、先進国の中国とのデカップリングがどこまで進んでいるか、中国がどの程度の規模で攻めるか、アメリカがどの程度絡んでくるか等その時にならないと判らない不確定要素は山ほどあるが、専門家ではないので細かくは踏み込めない。

なので極めてザックリと、「紛争が起こった場合って普通はさぁ…」ぐらいのノリで、過去の事例に習えることのみを取り上げて想定する。

起こりそうな時期

台湾進攻が起こるとすれば習近平氏が今のポジションにいる間だろうが、氏の寿命を考えると可能性の高い時期はある程度しぼられる、的なことを誰かがYoutubeで言っていたのには納得だった。そうすると2033年頃までが可能性が高い時期と言えそうだ(氏は2023年現在で70歳)。

軍需産業

良し悪しは別として投資家の本分である儲けを純粋に考えた場合、戦時にその戦争に携わる企業に目を向けるのはやはり理にかなっているだろう。投資する時期としては戦時よりは当然ながら戦争開始前という事にはなるだろうが。

軍需で有名な企業としては米国だとロッキードマーチン(LMT)、ノースロップ・グラマン(NOC)、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)、ゼネラル・ダイナミクス(GD)、ボーイング(BA)、等、日本だと三菱重工(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)といったところが目ぼしい企業と言えるようだ。日本の場合は防衛産業と呼んだ方が良さそうだが。

ただ軍需産業への投資というのは倫理的に想定できないタイプの人も多そうな気はする。

戦争特需

朝鮮戦争時の日本が良い例と言えるようだが、その国の近くで戦争が起きるとその国は儲かる、という例が結構あるようだ。単純にその国に人(軍人等)が増えるだろうし、それによって物が売れたりと物理的に活況となりそうな状況は想像できる。

そうなると中国・台湾紛争の場合は日本、韓国などの周辺国の景気が良くなりそうだという事になるが、、、ただ、沖縄があまりに戦地に近すぎるという事は無いだろうか。つまり巻き込まれる可能性を排除できないのではと考えてしまう。
もちろんこれは単純に地理的に見たらという意味で、「Chinese Taipei」と表記される事もある台湾と、日米安全保障条約を米国と結んでいる日本では政治的立ち位置に違いがある事は理解しているつもりではある。
が、ここ最近まさかと思うような事が実際に立て続けに起こっているだけに全く不安が無いとは言い切れないと感じる。

などと考えていたら、ジム・ロジャーズ氏の言葉を見つけた。

戦争中の地域に投資

ジム・ロジャーズ氏曰く、「長年の経験から、戦争中の地域に投資をすれば、大儲けできると学びました」との事である。(記事はこちら:https://president.jp/articles/-/68950?page=1

ロシアーウクライナ戦争が続いている現在、氏はロシアへ投資をしたいとの事である。西側からの方法は中々無いようだが。

これはつまり逆張りをするという事で、「焼野原」となった後は再建・成長しかないだろうという事だ。

投資先は日本と韓国

近隣国としての戦争特需だからにしろ巻き込まれる形で当事国になるにしろ、上記の理由から中国ー台湾紛争が実際に起こった場合は日本に投資する、というのが自分の想定だ。

韓国にもハンファ(Hanwha)やヒュンダイ(現代)等の軍需企業があり同様だし、状況次第では日本より良い投資先になる可能性もありそうだ。(ハンファ関連記事:https://cigs.canon/article/20221220_7181.html

いづれにしてもその投資のタイミングは(もし本当に起こるのであれば)ある日突然にやってくる気がしている。本当に考えたくもない事ではあるが。

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