長期株式投資にはファンダメンタルも重要 -四季報の読み方-

"The person reading a book" David Hockney tasted oil painting

『本を読む投資家』
画像抽出:DALL・E2

チャートパタンといったテクニカルを重視しながらデイトレ・短期トレードを行ってきた人間が株式の長期投資を始める時、基本的には短期で使っていたテクニカルをそのまま長期足にも使っていこうとするものなのではないだろうか。

自分はそうだったし、今も基本的にはそういう目でチャートを眺めている。

ただ、最近はそれだけではどうも足りないような気がしてきた。

特にFXを主としてデイトレをしてきた自分の場合、どうしてもトレードをゼロサム(参加者の獲得と損失の総和(sum)がゼロになる)で考える癖がついている。つまりは奪い合いだ。

経済的価値を生み出す企業を応援する形で資金を入れる非ゼロサムの株式投資はFXのデイトレとは違うのだ、という事が実感として判ってきた。…って株に触りだして3年も経ってようやく、な訳だが。

日本個別株をやるなら四季報

株トレーダーに「なにを今更…」と鼻で笑われそうなことを言うようだが、日本の個別株に投資をしたいなら四季報を読んで、少しでも会社を分析する癖をつけるべきだろう。

つまりは個別株の醍醐味であるテンバガー(株価が10倍になるほどの急上昇銘柄)を探すのだ。

そういうのが面倒なのでETFのインデックス投資が流行っているのだろうが、そこまで株式投資に踏み込むか否かは自身の目標設定に左右されることで、自分の場合は踏み込む必要がある。

という事で、四季報の読み方を調べてみた。

四季報の読み方

かなりの情報量がある四季報だが、紙媒体だけでなくオンラインでも読めるようだ:
会社四季報オンライン(https://shikiho.toyokeizai.net/

読み方としてはエミン・ユルマズ氏がYoutube(Pivot: https://youtu.be/RT9yYZwrUtc)で説明していたものが分かり易かった。

まとめると:

・増収増益か
・自己資本比率70%以上か(BS欄)
・営業CF(キャッシュフロー)はプラスか
・借金の程度はどのくらいか(有利子負債、現金同等物)
※不動産屋であればあまり気にしなくて良い
・配当は何%か(3%以上が妥当)
※インフレ率より高いか
※※成長企業の場合は無くても良い
・チャート(買うに値するか)
・バリエーション(PER)は最後に見る
※思い込みを防ぐため

また興味ある企業の前後10ページ程度を読むとその業界の状態が解る、ということである。

なお、この動画からの情報ではないがPERが低いほうが株価は割安ということなので、目安として15倍以下かどうかを基準に考えられるらしい。

ちなみに日本在住者は「Yahoo Finance」も使えるらしいが、海外からのアクセスが制限されているため自分には使えない。

米国個別株をやる場合

米個別企業を調べたい場合も四季報オンラインの米国株版がある(https://shikiho.toyokeizai.net/us)。

またSEC(アメリカ証券取引委員会)が運営しているサイトも使えるようだ(https://www.sec.gov/edgar/searchedgar/companysearch)。

SECを使う場合、開示資料には8-K、10-K、10-Qとあって、
・8-K:Current Report
日本でいう決算短信。
・10-K:Annual Report
日本でいう有価証券報告書。1年分の決算をまとめた年次報告書。
・10-Q:Quarterly Report
第1四半期決算から第3四半期決算まで提出される四半期報告書。

実際にその企業の株主総会へ行くと良い

その企業を知りたければ、その会社の株主総会へ行き社長を実際に見て、可能であれば直接話してみると良いとその動画では言っていた。それはそうだろうとは思うが、実際にそう出来る人はそう多くはないだろう。

7~8割の参加者が勝てない投資という世界。良い投資先を探すためにはその程度の事はやって当たり前、といった所か。

やるべき事の性質は短期トレードと同じ

1つのチャートパタンにつき数百回分の過去の結果を調べる検証作業がデイトレでは望まれるように、長期株投資では地道な企業分析が必要、ということだ。どちらも定期的に、継続的に。

考えてみれば当たり前の事である。そりゃそうだ。長期的に見れば楽な金儲けなどない。

投資は不労所得と考えられていて実際にそういう面はあるのだろうが、それはボーナスのようなものだ。

元手が大量にあれば別だろうが、その元手を作るために右往左往している身であれば「地道に積み上げる」性質の行動は必須である。

だいたい何にでも必要な行動なのだろうが、始めやすくてリスクを伴っている投資という分野では尚更だろう。

それが面白いと思えるかどうか。それがつまるところ投資に向いているか否かということのような気がする。

四季報を読む具体的なタイミング

ただ、株を専業にしているプロでもない限り毎回全てに目を通すのは無理だろう。自分には無理だ。

四季報に時間を割くタイミングを考えてみると、ニュースなどで特定のセクターが目に付いた場合だ。

例えば今なら中東が不安定な事から海運とか、軍需産業とか、石油関連あたりか。ただ、事が起こってからでは遅いだろう。

現行する世相から今後を想定し、その想定に関連するような企業を調べていく、といったセンスを必要とするような作業が望まれる。

例えばEVやAIといった電子関連の需要が今後益々増えていきそうな雰囲気がプンプン漂っていた2010年代から遅くても2020年頃までにエヌビディアやSMTCといった半導体に手を出しておくとか。「言うは易く行うは難し」の典型例だが。

自分にそういうセンスがあるかどうかは関係なく、慣れていくしかない。最初は上手くできなくてもそのうち慣れる、と自分に言い聞かせながら。

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