『BTCと量子コンピューター』
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Googleの「Willow」という量子コンピューターの成果が最近メディアにさかんに取り上げられていたが、クリプト保有者は一般人とは少し別の意味でニュースを凝視したのではないだろうか。
つまりクリプトの根幹をなすと言っていいブロックチェーン技術が解読されるのではないかという懸念と共に、その量子コンピューターの記事なり投稿を眺めたのは、自分だけではないはずだ。
正確には、ブロックチェーンが解読されるという憶測でビットコインやイーサリアムが値を下げるのではないかという懸念、という意味だが。
とりあえずは大丈夫
個人的な意見として、少し調べてみた限りではとりあえずは大丈夫そうだ、というのが結論である。
そう感じた理由は2点あるが、1つは耐量子暗号(Post-quantum cryptography:PQC)が組み込まれるだろう事、もう1つは量子コンピューターの一般化はどれだけ早くても2030年以降となる見込みであることだ。
また付随的な理由として、現在の暗号技術が解読可能なコンピューターが仮に実用化されたとすれば、それはクリプトだけの問題ではなく更にスケールの大きな問題、例えば各国政府や世界中の軍事関連組織、銀行などが対処しなければならない問題となる。
つまり世界中がオンライン・セキュリティに関する認識から設備までを完全に刷新しなければならないタイミングとなるだろう。
PQC
ブロックチェーン開発側…というかあらゆるセキュリティ関連機関は当然ながら量子コンピューターの対策を考える訳で、それはPQC(耐量子暗 Post-quantum cryptography)と呼ばれているようだ。
参照:Security Go(日本語)
記事の中では米国立標準技術研究所(NIST)が2016年からPQCの開発や標準化のプロジェクトを主導してきたとあるが、量子コンピューターの性能はクリプトだけでなく更に大きなスケールでの脅威となるという上記の話を裏付ける。
これまでもこれからも、ハッカーはホワイトとブラックに分かれてイタチごっこを繰り返していく訳で、量子コンピュータの登場もそのイタチごっこの一環という事に収まりそうだ、という希望的観測ができた。
暗号資産解読=偽札作り
それに加え、米国で政治家の一部がビットコインを政府予算として組み込むよう提言したり(実現は難しそうだが)、スイスやドイツ、シンガポールといった国々がクリプトの利用に前向きのようだ。
エルサルバドルや中央アフリカ共和国がビットコインを法定通貨にした話は有名だが、アルゼンチンなどハイパーインフレで苦しむ国ではUSDTをはじめビットコインもかなり利用された(されている)らしい。
徐々にではあるが確実に市場を広げているクリプト…というか国家レベルの話になると主にビットコインだが、そのような「資産」と考えられるものの根幹をなす技術をハックする行為は、一昔前(?)の偽札作りと同等の犯罪として厳しく取り締まられるようになるだろう、と予測しているユーチューバーがいたが、それはさもありそうだと個人的には感じた。
BTCは2030年までに売るべきか
上記のような楽観的観測はあるものの、リスクヘッジの観点から2030年を目途にBTCの保有量を減らすべきか?
それまでとその頃の状況次第なのは言うまでもないが、一つハッキリしていることは、万が一極めてネガティブなニュースが出るのであれば、そういうニュースが出てからでは遅いという事だ。
出口を考えていない投資は悪、と一般的には言われるが、自分の場合BTC購入がそれにあたる。
というか、投機ではなく投資としてBTCの積立までやっている身としては、やはりその将来性を信じていくしかない。
量子コンピュータの普及によってもたらされるだろう未来にもワクワクするが、その時にそれと同時にクリプトも、少なくともBTCとETHぐらいは存在していてほしいものだ。