1. コモディティー

天然ガスの値動きと商品先物のポジションを閉じた後 -何とかショックの想定-

Banksy tasted painting, trading commodity futures

『Trading commodity futures』
画像抽出:DALL・E2

天然ガス価格はビットコインのごとく上下

商品先物は値動きが激しい印象を持っていたが、例えば天然ガスの場合はチャートを見るとかなり時期によってボラティリティーに差があるようだ。
1990年以降だと2000~2009年頃はクリプトを凌駕するいきおいで上げ下げが激しかったようだ。2022年もそれに続くレベルでボラが高かったようだが、その時に自分はNGASを取引していた。
といってもかなり少額だったし、それにスイングだったので2か月ほどポジションの推移を観察していたに過ぎない。

Natural Gas monthly line chart

ファンダメンタル的にはロシアーウクライナ戦争が始まったころで、それがかなり直接的な原因だったと記憶している。ロシアから西側諸国へ天然ガスが供給されなくなる(と思われた)ことでその価格が高騰した。
それがコロナ開けと相まって2023年9月現在も続いている世界的なインフレが始まった時期もそのころだが、当時の天然ガスのチャートはビットコインを凌駕する勢いでボラが高かったと記憶している。

ポジションを閉じた後

2022年の4月に閉じたポジションだったが、月足チャートだけを見るとそこから逆ポジを持っても良かったんじゃないか、と考えたくなる。実際それはその通りだ。
当然ながら売りポジのためのセットアップは待つ必要があるが、異常と言って良いほどの高騰後は当然そのリバウンドがあるのだからそれをジックリと狙うべきだ。
「取れる時に取る」ことが出来るトレーダーしか生き残れないのだから。

…と頭では判っていてもいざ行動となるとそう簡単にはいかなかった。
何よりもまず先のトレードで満足してしまっていた。
そしてその利確分が削られる可能性のあるリスクを負うような行為を直ぐに行う気になれなかった。

値動きの周期性を利用して利益を上げる投資手法を「うねり取り」というらしいが、高騰(あるいは暴落)後の反対売買はその高騰(あるいは暴落)が大きければ大きいほどより意識すべきだ。
…が、自分は出来ていなかった。トータルでマイナスにならなきゃいいや、くらいの気概が必要だった。

商品先物は具体的な物なので面白い

自分は商品先物の専門家でもなければ頻繁に取引する訳でもない。原油、天然ガス、ゴールド、シルバーなど日毎でチェックしている銘柄はあるがチャート形状をチラッと見る程度だ。

その程度ではあるが何となく感じるのは、商品先物の銘柄は具体的なものであるが故の要因で値動きする時があるのでやっかいだが面白い、という事である。

例えばトウモロコシが天候不良が続いて収穫量が減ったため価格が高騰するとか、ロシアが有力生産国のニッケルがロシアーウクライナ戦争で高騰、といった具合だ。
高騰(あるいは暴落)理由が明瞭でイメージがし易い。

そういう経済の基礎的条件をファンダメンタルというが、これが例えば為替だとやれ需給だ貿易だ通貨発行量だ国力だ等々、とてもじゃないが完璧に把握できるような類のものでは無い、少なくとも自分には。

だったらそっちはスパッと諦めて、チャートパタンの勉強(テクニカル)に一点集中しようとある時思い立って今に至る。

ファンダメンタルは推測と想定に使うもの

ロシアのウクライナ侵攻などは、実際に起こる前はそんなことになるなんて信じられなかったのを憶えている。この戦争のような人災以外でも、例えば先物価格に影響を与えるような天災も当然ながら事前予想など無理だ。

ただし、何かが起こった場合の想定はできる。

例えばロシアーウクライナ戦争にしても、開戦の数日前からキナ臭いというか、米国の大統領が戦争が起こりそうだと言った等のニュースは流れ出していた。

そういういわゆる予報的な情報をつかんだ時にトレーダーがまずやる事は、そうなった場合の推測と想定だ。ロシアやウクライナの生産物やそのシェア、規模を調べ、起こりそうな影響を推測していく。過去の似た事例などを参照しながら。
そして取引できそうな銘柄をある程度定め、こう来たらこうする、を具体的に想定しておく。

…まあ、「言うは易し行うは難し」ではある。何しろその何かはまだ実際には起こっていない訳だから。来ないかもしれない未来のために労力と時間を使うのは簡単ではない。

実際自分が天然ガスを握っていたのはファンダ的には偶然だった。チャートを見て良い形だったからポジションを取った、というテクニカル要因でのポジで、そう言えば戦争と関係しているのかなぁ、などと後になってボンヤリ考えるといった有様だった。間抜けだ。

何とかショックの想定

この推測と想定をある程度しっかりやっておいた方が良いのが何とかショックの時の対応だ。短期トレードのやり方の想定もそうだが、それよりもポートフォリオの方の話である。

何とかショックというと最近だとリーマンショックとかコロナショックだが、そういうのが起こった際に保有している株の銘柄をこう組み替えるとか、債券を何%ふやして株を何%減らすとか、といった想定だ。

それがどういう類のショックかによって若干対応は変わるだろうが、つまりは下げ相場の時のやり方も決めとこう、という事だ。

よく言われることだが歴史を振り返ると何とかショックは定期的に起こっている。であれば冬が来る前に厚手のセーターを出すなどの衣替えをしておくのと同じように手順だけザックリと把握しておくことだ。

ただこれ、つまりはアクティブ投資をやるということになる。インデックス投資のみが信奉されている昨今ではかなり少数派の意見ということになるんだろうとは思うけど。

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