1. クリプト

ワールドコイン(WLD)がプチ暴騰し後悔している件 -イーサリアムETFの可能性-

『ユニバーサル・ベーシック・インカム』藤田嗣治風

『ユニバーサル・ベーシック・インカム』
画像抽出:DALL・E2

2023年末に東京でオーブによる目のスキャンを終わらせ、晴れて人間認証が終わったことでワールドコイン(https://worldcoin.org/)のアプリ内で10日に1回程度の頻度でもらえるワールドコイン(WLD)が受け取れるようになった。

定期的なトークンの配布に対する申請はGrantというそうだが、毎回3WLDである。

人間認証を行ったころは1WLDが$2.14くらいだった。それからおよそ2ヶ月後(2024年3月7日現在)には$10程度まで上昇した。実に2ヶ月で5倍だ。

無料登録者に無料で配っているようなトークンだからそれほどの上昇もないだろうと考えWLDの購入を控えめにしていたらこのザマである。

Worldcoin chart
(出典:https://www.coindesk.com/price/worldcoin/

ワールドコイン価格が上昇した理由

”最近の急騰は、ワールドコインが2月15日に発表した強力なAIモデル「Sora」の登場によるところが大きい。”
(参照:https://www.coinlive.com/ja/news/world-id-s-worldcoin-wld-token-on-fire-following-the-launch

だそうである。

将来的にAIが動画を含めた様々なコンテンツを生成するようになると、ワールドコイン財団が危惧するような未来、つまりオンライン上で人間か機械かの判別が難しくなるような未来において、その状況を打開するために(少なくともそういう建前で)作られたワールドコインがおおいに普及する、という思惑から買いが入ったそうだ。

つまりはSoraという動画生成AIの発表によって、と上記の記事では理由付けている。

2024年3月7日現在、我々一般人はまだそのサービスを自分で試せていないが、デモを見る限りは確かに興味深いクオリティーの動画だった。

いずれにせよ、上記の理由が正しいかどうかの検証方法は思いつかないが、アルトマン氏がどちらにも絡んでいるので少なくともOpenAI社、あるいは彼への期待買いといった側面はありそうだ。

そしてBTC、ETHの上昇に続いてアルトコイン(やWLDのようなトークンを含めた)全体への追い風が多分に影響しているのは間違いないだろう。

今後の値動きがどうなるかはもちろん判らないが、現時点ではもったいない事をしたと後悔しきりである。

なお、新しすぎて過去チャートの検証ができないのでここから追随買いはする気にならない。

ワールドコインに興味を持った理由

このページ(https://inv.jp/crypto/c003/)でも少し書いたが、「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」のためのコインだと紹介していた記事を読んだのが最初だ。2021年11月のことだ。Wired.jpの記事(https://wired.jp/2021/11/12/get-free-crypto-orb-scans-eye/)をとあるSNSでリポストしたのでよく憶えている。

…ただ、上記のページを書いた際にも「プロジェクトの性質を考えると投機対象にはならなそう」とか「一般的な意味での投資対象としてどうなんだろう」などと呑気なことを書いている。やはり知ったかぶりはするものではない。

ワールドコインの投機対象としての可能性

とは言え実際のところ、公正に見てWLDが投機の対象として考えられるかどうかはまだ時期尚早だとは思う。

確かに今回のプチ暴騰に大して乗れなかったのは悔しいが、投資家からは投機対象としか見られていないアルトコインはチャート的にはまずは行って来いがよくあるパタンだ、という冷めた思いもある。

つまり暴騰して暴落する。そこからまた這い上がれれば将来性を期待されているとして注目され易い。

という訳で、比較的新しいワールドコインを投資対象商品と呼べるかどうかはまだ何とも言えない。あくまで投機という視点でチャートをテクニカルに見れば、という限定的な話しだが。

ファンダメンタル面というか、ワールドコインのホワイトペーパーは興味深いと感じたのでそのプロジェクトに賛成の意を表す、といった感じで少額投資したのは前述した通りだ。

ワールドコインアプリ経由だけでなくBinance経由でも自分は少し買っていたが、つまりはその「少し」が少し過ぎだった訳である。しつこい様だが。

なお、2024年3月現在では日本の取引所では取り扱いが無いらしい。

WLDの話題性は買い

アルトマン氏が参加していることがかなりの宣伝になっているのかもしれないが、それ以上にその壮大な社会実験とでも呼べそうな「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」が何よりキャッチ―である。

世界中の多くの人々がデジタル世界でその存在がまだ確認できていない。銀行口座を持っていない、あるいは持てない人の数に比例して。

そういう人々にも携帯にアプリさえ入れてオーブ認証すればお金(WLD)を配るという、初めから世界規模での展開を想定されたコインという事で、多くの人々に対しての慈愛を感じる壮大なプロジェクトに見える。少なくともそのコンセプトは。

ビットコインやイーサリアムもそうだが、その存在理由をかなり明確に定義できているコイン(やトークン)に自分は興味を惹かれるようである。

なお、目の情報を一企業(や財団)に取られるというのが将来的にどういう意味を持つのかは自分は深く考えていない。

スマホやパソコンの認証と称して指紋や顔の情報を取られているのと何ら変わらないじゃないかと思っている。

それにワールドコインの運営者の名誉のために一応言っておくと、目をオーブでスキャンして認証をした後に、その情報を残すか消すかを選べるようにはなっていて、オーブの係りの人がどうしたいかを聞いてきた。

なので(少なくとも建前上は)眼球情報を盗んでいる訳ではないようではある。

2024年前半のクリプトの上げ相場について

今回のクリプト全般の暴騰の理由としてよく聞くのが、米国経済がソフトランディングしそうだとの楽観ムードを前提としてビットコインのマイニング報酬の半減期が近い事、ビットコインETF承認。そこから流入する投資マネー(投機だけじゃなく)が業界全体を潤している、といった所だろうか。

もし米国相場に楽観ムードが継続して漂うのだとしたら、差し当たっての障害は今年4月頃だと噂されているビットコインのマイニング報酬の半減期だと言えそうだ。

なので細々と持っている幾つかのアルトコインは3月中に手仕舞っておこうかと考えてはいるが、その翌月にイーサリアムのETF承認期限が迫っている、という事情が何とも煩わしいところではある。

イーサリアムETF承認はあるか

今回のETF承認期限

イーサリアム(ETH)の今回のETF承認期限は今年、2024年5月23日だそうだ。
(参照:https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2024/fis/kiuchi/0305

参照元の野村総合研究所のレポートによると、ETHの時価総額はBTCの4割程度に留まり、値動きがビットコインよりさらに荒く、価格操作の対象になる可能性があるため承認されるかどうかは未知数だそうである。

あのビットコインが承認されたんだからそのうちイーサだって可能性はありそうだと自分のような素人目には映っているのだが、どうなのだろうか。

ワールドコインもイーサリアムのシステムを使って展開されていることだし、承認されて資金の流入額が増えて欲しいところだ。

既に過去2回承認が見送られている

ちなみに、ブラックロックとフィデリティのイーサリアム現物ETF承認はすでに2回可否が見送られている。今年2024年の1月と3月だ。

何でもSECは最大3回まで決定を延期できるルールらしく、5月23日というのは審査最終期限日という事らしい。

つまりはその日までにもう1回決定を見送るのは織り込み済み、とされているようだ。

なお、イーサリアムの先物ETFは2023年11月に既に承認されているが、スポット(現物)ETFの話である。2024年1月10日のビットコインスポットETF承認の場合と同じく。

ETHのETF承認のインパクト

BTCの場合に比べると取るに足りないと言っている専門家も少なからずいるようだ。金融全体を考えた場合のインパクトは(少なくとも今のところは)大したことは無いのかもしれないが、この先の暗号資産の行方を考えるとイーサリアムの承認はかなり重要な部分なのだろう。

自分の知識ではスマートコントラクトやステーキングといった仕組みに踏み込んだ話はできないが、デジタルゴールドと呼ばれるビットコインと対をなすようなデジタルカレンシーの代表格として世界最大の市場(の監視機関)に承認されることは大いに意味があることくらいは判る。

ただ、そういったビットコインよりも難解な仕組みのせいで、SECがそれを理解するための時間として承認には数年を要すると見るアナリストも少なくないようだ(参照:https://coinpost.jp/?p=512306)。

ハッキリした理由はなくただそう感じるとしか言えないが、自分もそういうゆったりした流れになるんじゃないかと予想している。

つまりは時間を掛けさえすれば承認はされるんだろうと楽観的に考えているということだけれど。

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