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乗れてない円安トレンドは続くよどこまでも

"Skyrocketing chart" Tsuguharu Foujita tasted painting

『急上昇チャート』
画像抽出:DALL・E2

2024年3月19日に日銀はマイナス金利を解除、YCC(イールドカーブコントロール)の廃止を決定した。利上げは17年ぶりだそうだ。
(参照:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-19/S7NFSZDWRGG000

それに伴い円が買われるという予想が多かったが、日本円レートはほぼ微動だにせずこれまで通り着実に円安方向へと値を進めている。

海外で暮らす日本人の1人として円安はキツイと定期的にこのブログでボヤいているが、今投稿もそのたぐいとなる。

$1=¥150てボヤかざるを得ない。$1=¥105が¥120になってギャーなどと言っていた時代が懐かしい。

円安トレンドは続く

金融アナリストやメディアからの投資情報はほぼ全てノイズと考えている自分にとって、特別にフォローしているようなアナリストはほぼ皆無だが、佐々木融氏(wiki)の記事だけは大抵目を通すようにしている。

2015年のいわゆる第二次ギリシャ危機でユーロ価格が上昇した際に、氏はその理由を分かり易く説明していて、個人的にそれがスッキリ腑に落ちたという経験をして以来だ。

その時の記事→https://www.reuters.com/article/idUSKBN0OZ10Y/

さすがJPモルガン・チェースに勤めるような人は違うなと思っていた。

当時、特に事が進行している真っ只中では佐々木氏だけが説得力のある説明が出来ていたような印象だった。少なくとも自分には。他の大手銀行のアナリストが軒並み「?」となるような事を言っていた中で。

そんな佐々木氏は今回の円安に関してYoutube番組やロイターの記事で「円安はまだまだ続く」とハッキリ仰っている。そしてそれが(悲しいかな)個人的にも腑に落ちる説明だった。

(参照:ロイター:https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/6RZF66MEEJNRPNNP2PMTR5ZC5E-2023-12-04/、Youtube:https://youtu.be/vy7uBYwa6Uc

理由としては「円のファンダメンタルズ悪化は深刻で、日銀が多少金利を引き上げた程度で以前のような円高トレンドに転換するのは無理がある」との事だ。

(参照:https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/PXHT2VEFZ5NI3ETXXGT2RWVOS4-2024-03-22/

米ドル円ペアは米国金利次第

早い話が、国力の低下した日本の円と米ドルの通貨ペアは、米国の状況次第だということだ。

米国の景気、FRBの政策金利にこれまで以上に左右されることになる。これまで以上にと言うか現状ではほぼ完全にと言うべきか。

なお、日銀は2000年以降では3回利上げをしたことがあるそうだ。2000年8月11日、2006年7月14日にゼロ金利解除、2007年2月21日は再利上げだったそうだが、それらは日米の政策金利差が5%以上も米ドルが優位の状態で行われたそうである。今回を含めてその4回全てで。

これまではJOBが利上げをすると一時的にせよ数円程度は円高に振れる局面もあったそうだが、今回は無風と言って良い結果だった。

ちなみに、米国は2024年中に3回の利下げを予定しているそうだ。アメリカの経済状況次第で変わる可能性も大いにあるとは思うが。

いずれにせよ、円高に振れそうな可能性(あくまで可能性)としてはアメリカが最初の利下げに踏み切りそうだという雰囲気が出てきた時、と言って良さそうだ。

なお3月下旬現在、「ミセス・ワタナベ」と呼ばれる日本の個人トレーダーの多くを含めてドル円のショートポジションが溜まっているそうである。

そうなるとそれらの損切でまた上昇に拍車がかかる可能性が考えられる。短期トレーダーにとってはわりとバカにならない程度で。

日本の為替介入(実弾)については$1=¥155~160程度が目安ではないかと言われている。

$1=¥150が妥当(?)

今後は$1=¥150が基本レートと考えるべきだとの意見には渋々賛成である。過去のレートに慣れてしまったものにはかなり痛いが。

自分の場合米ドルより身近なのはユーロだが、ユーロ円は2024年3月現在のレートでおよそ€1=¥164とこちらも目も当てられないレートとなっている。

大体このぐらいがニューノーマル(新常態)と本当になるようであれば、円を稼ぎたいという気持ちはいよいよ本格的に萎えていく。

通貨のレートは押しては引く波のように上下動を繰り返すというのは不変の事実だろうし、いつかは円高局面もくるだろう。

ただ問題は、そこへ至るまでの経緯と掛かる時間である。

ハイパーインフレの可能性

その経緯の1つとして、日本円の暴落、つまりハイパーインフレ化する可能性を主張している専門家も少なからずいる。

彼らによると、利上げをする事によって日銀が買い込み過ぎた日本国債の利払い額も比例して上がり、日銀はデフォルトの危機に見舞われる。そうして円が投資家に売り浴びせられ価格下落に歯止めが掛からなくなる、という事らしい。

そうした意見に異を唱える専門家も当然ながらいて、どちらが正しいのかはちょっとやそっと調べたくらいでは判らない。

ただ投資はあらゆる可能性を考慮するべきだと考えると、ハイパーインフレ化するケースを考える必要がある。

ハイパーインフレについてはこのページ(https://inv.jp/uncategorized/o005/)で書いているが、そうなった時のための備えとして挙げている「他通貨への両替」や「金の購入」を円でする際の値段がひと昔前とあまりにも違う。

でも少しづつでもやっていった方が良いだろう、というのが当ページの主な内容である。

まとめ

そんな為替に対して日本の株価は好調である。

そのために日本政府、日銀が国策として円安誘導をしているのではないかと疑われているが、いずれにしても為替暴落のヘッジとして株に換えておくというのも良い手段とされるので、円を使って日本株を買うのも良いかもしれない。

2024年3月現在、戦争・紛争が続いている中での話だが、主要国の株価に特別に大きな影響を与えそうな問題は挙げられておらず、大手銀行の今年の予想株価は引き上げられているようだ

「災害は忘れた頃にやってくる」事をよく知っている我々は、こういう時こそ着実に備えを進めていきたい。

…にしても円が安すぎてその作業がはかどらない。困ったものである。

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