『機関投資家 11』
画像抽出:DALL・E2
「ChatGPT景況感」は、生成AIの代表格と言えるChatGPTに相場予想をしてもらい、その収支結果を計るという取り組みだった。途中で計測不可な期間もあったものの、全体としては区切り良くおよそ1年間行なった。
2023年4月10~14日の週から2024年4月1~5日の週までの期間である。
「あなたはヘッジファンドのトレーダーで…」から始まる質問を毎週末繰り返した。
生成AIという目新しいものが出てきたので遊んでみたかった、というのが直接的な動機だが、それに加えてネットに溢れている投資情報、それも比較的信用されやすい大手サイトの情報は有益なのかどうかを計ってみたかったというのもある。
ChatGPTを”情報収集しそれをまとめた文章を生成する機械”と定義すると(少なくともChatGPT景況感ではそういう風にのみ使っていた)、ChatGPTに週間の上げ下げを予想させる行為とはつまり次の文章に集約される:
大手サイトが発信するオンライン情報に従っただけで投資は利益が産めるのか
という事である。
で、「大した利益は産めない」というのがその結果だ。
ザックリまとめると、
米株:若干マイナス
為替:引き分け
クリプト:プラス
という結果だったので悪くは無いが良くもない。
例えば米株のマイナスはほぼ引き分けだが、いずれにせよインデックス投資に負けている。為替も利益を出せていない。
クリプトのプラスについては、2024年2月から始まった上昇相場にのったのが大きい。昨年から年始にかけての成績は大幅なマイナスだった。目も当てられないほどの。
ビットコインの勝率は16勝20敗と勝率だけを見ると健闘しているが、あまりにも値段が上下し収支もそれに比例するため、週初に買って週末に売るという手法は使うべきではない。
ストップを入れないスイングトレードなど有り得ないと考える自分のようなスタイルのトレーダーからすると、それではリスクの取りすぎだ。完全にギャンブルである。
ChatGPT景況感の予想傾向
これはそのまま大手サイトが相場予想をする際の傾向と言えると思うが、今回の結果を見るにトレンド相場ではある程度当たるがレンジだとダメだと考えて差し支えないだろう。
つまりは当たり障りのないことが書かれている、とも言えそうだ。
ただし、検証の性質上ChatGPTには毎週ほぼ必ずポジションを取ってもらった、という点は付け加えておく必要がある。レンジ内でどちらに動くか判らない場面で、最初の回答では売りか買いか決められないと返してきた場合にも強めに問い詰めるなど強制的に、無理やり決めて貰った時も少なからずあった。
であればレンジ相場で結果が出なかったのも当然で、それでレンジ相場ではダメと結論付けるのもかなり強引かもしれない。
が、そういうルールの上での遊びなのだし、結局は売り/買いのポジションを取っての結果なのだから(ここでも強引に)そういう結論とさせて頂く。
ちなみに、トレンドに強くレンジに弱いのは大多数のトレーダーと同じだろう。
まとめ
BTCUSDでラッキートレードに恵まれたことを差し引くと、ChatGPT予想は投資には使えないというまとめとなる。というか、この程度の結果を狙うのであればわざわざチャットで聞くまでもないというべきか。
まぁ、こういう結果は予想していたし、大分初期の段階で薄々判ってはいたが、ある程度納得できるデータとしては最低でも1年分は欲しかったのでとりあえず1年間継続した。
いずれにせよ、「個人トレーダーの失敗ノート」と銘打ったこのブログにはぴったりの結果である。
機械や大手サイトの予想通りに投資して利益が生めるほど投資は簡単ではない、という他人に言われなくてもみんな分かっているような結論に至った訳だが、それを1年掛けて証明したという事になる。
今後について
2023年04月からの1年、米株は上昇相場だったという相場環境が影響しての結果なのは間違いないはずなので、調整相場の際はどういう結果になっていたのかは若干気になる。
逆に、クリプトの場合は上昇相場が続く間の成績も見ていたい気も少しする。
…かといって今後も続けたいかと言われるとその必要性は感じない。
少なくとも今回行った方法の継続や類似的なやり方にはあまりその意味を見出せないので、もし他にデータを取ってみたくなるような新たな「遊び」を思いついたら何か別の方法でやるかもしれない。
ちなみに、例えばChatGPT(あるいはその他の類似ジェネレーティブAI)は株式銘柄選定とは相性が良い、という記事を目にした。
(参照 https://gigazine.net/news/20230610-chatgpt-stocks-better-than-fund-manager/)
ただ、それであれば自分でもそのデータを取ってみようかな、という気にはならない。
それは今回行ったものの類似データを得るだけだと感じるから。
…とは言え、ブログに書く程のものになるかどうかは別にして、ただの遊びなのだからそんなに入れ込まないで適当にやれば良いのかもしれないが…
いずれにせよ、ChatGPTのような良質なオモチャで簡単に遊べるような良い時代になってきたな、と感じている。